バスケに限らず、すべてのスポーツに言えることですが、自主練は確実に成長をもたらしてくれます。
と言っても、ただ、やみくもに自主練をするだけでは、高い効果を得ることは難しかったりします。
- なぜ自主練をするのか?
- その練習をすることでどうなりたいのか?
- その練習は本当に今必要なのか?
- どういう未来を描いているのか?
あなたの時間は有限です。
限りある時間をしっかりと活用し、着実に成長しましょう。
そのために、常に考えるようにしてください。考える事で同じ練習をしたとしても、その効果は2倍、3倍の効果を得ることができるからです。
成長したいから自主練をするんです。どうなりたいかをしっかりと考え、効果的な自主練をしていただければと思います。
スラムダンクの桜木花道は、わずか4ヶ月で全国の強豪と渡り合えるぐらい成長出来ました…なぜなら、彼は、どうすれば自分よりも強い相手に勝てるかを考えていたからです。ぜひとも、あなたも花道くんに負けないようにバリバリ頑張ってもらえたらと思います。
▼こちらバスケのプロコーチの自主練プログラムについての記事です。よろしければこちらもご覧ください。
→ライバルに差をつける!プロが行う効果実証済みの自主練プログラムとは?
基礎(ファンダメンタル)を鍛えて土台を構築しよう!
一般的には、バスケットボールにおいての基礎といえば、ドリブル・パス・シュート・ディフェンスという理解が広まっていると思います。
しかし、ここで言う基礎は、上記4点にプラスして、状況判断、戦術理解を含めた、かなり広い範囲を指しています。
バスケ上達のために、ドリブルやパスのような動作スキルの向上は必須です。しかし、とっさの状況判断や、オフボールの時にどう動くか、などの戦術的な理解が乏しいと、良いプレーには繋がりません。
なので、この記事では、ドリブル・パス・シュート・ディフェンスにプラスして、状況判断・戦術理解にも触れながら、基礎的な自主練メニューをお伝えさせてもらおうと思います。
ハンドリング|家でもできる自主練メニュー
まずは、家でもできる自主練メニューの代表格でもある『ハンドリングの自主練メニュー』です。ボールの中心を捉えて、ミスのないハンドリング能力を鍛えましょう。
コツは、ボールのコアを捉えることを意識し、ミスを恐れずに、全力で取り組むことです。
回数は各10回もしくは10往復ほどを、毎日行うと良いでしょう。
ボールを扱うトレーニング
フィンガーティップ
指先でボールを細かく弾くようにタッチします。顔の前や胸の前で行ったり、ティップしながらボールを上下に移動するのもいいです。
ボディサークル
カラダ(首、お腹、膝)のまわりでボールを回します。右まわり、左回りの両方を行いましょう。
ランジサークル
片足前に出してランジの姿勢を作り、前に出した足の間でボールを回します。
ボールをキャッチする練習
意外と初心者さんはボールキャッチが難しかったりします。パスやシュート練習もかねてキャッチの練習もしましょう。
股下持ち替え前後
股の下で、ボールを前と後ろで持ち替えながらキャッチする。
股下持ち替えクロス
股の下で、腕をクロス(右手が前なら左手が後ろからキャッチ)してボールを持ち、ボールを持ち替えながらキャッチする。
フィギュアエイト
肩幅よりも広いスタンスで構え、股の下を8の字を描くように通します。前と後ろの両方を行いましょう。
ビハインドパスキャッチ
片手でボールを持ち、後ろから前にボールを投げて投げた手でキャッチする。
シュートキャッチ
片手でボールを持ち、カラダの前でセットして、上にシュートをして投げた手でボールをキャッチする。
レイアップキャッチ
レイアップシュートをイメージして、ボールを上に投げて投げた手でキャッチする。
フックシュートキャッチ
フックシュートをイメージして、頭の上でボールを投げて反対の手でキャッチする。
以上が基礎中の基礎となるハンドリングメニューとなります。どの練習も家で出来る自主練ですので、ぜひ取り組んでみてください。
ハンドリング練習の詳細はこちらの記事にて、動画で解説しています。
ドリブルの自主練メニュー
どのポジションであろうと、ドリブルスキルを向上させるのは必須となります。注意するポイントは、ドリブルを突く時は「強い姿勢で」「強く」「速く」と、あとは、カラダの正面でドリブルを突くのはやめましょう。チーム1のドリブラーになれば、試合で活躍できるチャンスは大幅に増えるでしょう。
回数は各20~50回ほど行いましょう。重要なのは全力を出し切るという事です。ダラダラやっても効果は薄くなるので、集中して取り組むようにしましょう。
1ボールドリブル
まずは、1個のボールを使ってのドリブルメニューです。
パウンドドリブル
床にボールを強く押し付けるイメージで、しっかりとドリブルを突きましょう。床に穴を空けるぐらい強く突くと良いです。
フロントチェンジ
腕を伸ばした状態で、カラダの近くでフロントチェンジをします。低く速く大きく出来るように練習しましょう。
V字ドリブル左右
カラダの前で、ボールがVの字になるの様に片手でドリブルをします。しっかりと強く突けるようになりましょう。
V字ドリブル前後
カラダの横で、ボールがVの字になるの様に片手でドリブルをします。手の甲を前と後ろに向けてドリブルをしましょう。
インサイドアウト
ボールを中から外へ押し出しながらドリブルをします。外へしっかりとボールを押し出すことを意識しましょう。
レッグスルー
股の下でドリブルをします。腰が前に出たり、体幹を意識して足がズレないようにできるようになりましょう。
バックチェンジ
カラダの後ろでドリブルをします。体のグニャグニャならないように、体幹を意識してしっかり腕を使ってドリブルをしましょう。
フィギュアエイト
足の下で8の字を描くようにドリブルをします。こちらも重心を意識しながら、細かく強くドリブルできるようになりましょう。
2ボールドリブル
2ボールドリブルは右手と左手を同時にトレーニングできるとても有効な練習です。2つのボールを使って練習をするため、1つのボールで練習をするよりもコントロールが難しく、神経系を鍛える事に繋がります。より複雑な方が脳には良い刺激が入りるのでぜひ取り組んでみましょう。ボールが2つになるとドリブルが弱くなる事がよくあるので、強く突くことを意識しましょう。
パウンドドリブル
1ボールと行う事は同じです。良い姿勢を作り、床に押し付けるように強くドリブルしましょう。
V字ドリブル左右
2つのボールでVの字になるように、体の正面でドリブルをしてください。
V字ドリブル前後
2つのボールでVの字になるように、体の正面でドリブルをしてください。きちんとボールの側面をとらえてドリブルするように意識しましょう。
入れ替えフロントチェンジ
2つのボールをカラダの前で右と左でフロントチェンジをして入れ替えましょう。少し難易度は上がりますが、ドリブル上達には効果的です。最初は難しいかと思いますが、強く速くチェンジできるようになりましょう。
フィギュアエイト
ひとつのボールは前でドリブル、もうひとつのボールは足の間を8の字を描くようにドリブルしてください。指先を使って、細かく、強く、速く、突きましょう。
テニスボールドリブル
テニスボールドリブルは2つの動作を同時にこなす必要があるメニューです。1つのボールでは鍛えることが難しい神経系を強化することができるので、とても有効な練習になります。家の中などで行うと、高さに制限が加わるため、難易度が高くなり、フロントチェンジ、バックチェンジ、レッグスルーなどのチェンジスピードを速くする事にもつながるので、ぜひトライしてみてください。
アンダーハンドキャッチとオーバーハンドキャッチの違い
最初はキャッチが難しいので、手のひらを上に向けてキャッチするアンダーハンドキャッチから始めてみましょう。ただし、オーバーハンドキャッチの方がより実戦的なトレーニングになるため、慣れてきたら、ボールを上から掴む、オーバーハンドキャッチにステップアップしていきましょう。
ドリブル1回キャッチ
ドリブル1回につきテニスボールを1回キャッチしてください。ドリブルが弱くなることがあるので強く突きましょう。
ドリブル2回キャッチ
次は、ドリブル2回につきテニスボールを1回キャッチです。少し変化させることでより細かい部分まで刺激を加えることができます。
フロントチェンジ1回
テニスボールを投げてキャッチするまでに、フロントチェンジを1回してください。フロントチェンジをしっかりと強く行いましょう。
フロントチェンジ2回
テニスボールを投げてキャッチするまでに、フロントチェンジを2回してください。フロントチェンジが弱くならないように気を付けましょう。
今回は基礎中の基礎である【初級編】のドリブルメニューを紹介させてもらいました。さらに【中級編ー上級編】と難易度を上げてドリブルスキルを高めていきましょう。
【中級編ー上級編】のドリブルメニューはこちらの記事にて解説しています。
シュートの自主練メニュー
シュート練習はとても重要になってきます。まず、意識したいのは肘と手です。ボールを構えた時に肘が外に開きすぎてしまうと、ボールが左右にズレる原因となるので気を付けましょう。そして、シュートを打つ時はスナップを効かせて打ちましょう。左右にズレないように、リングへまっすぐシュートすることを意識してください。ちなみに、日本人NBAプレイヤーである渡邊雄太選手ですが、シュートをまっすぐ飛ばす練習として、電信柱へシュートをしていたというのは有名な話です。
シュートの飛距離を伸ばす時に重要なポイントは、下半身と上半身の連動です。しっかりと下半身の力を上半身、そして、ボールへと伝達できるように意識しましょう。
家でもできるシュートメニュー
家の中でもシュート上達のためにできることはあります。とは言え、多くの人は継続することができません。腕の使い方を意識して練習すれば、シュートは上達します。ぜひやってみてください。
仰向けに寝転んで上へシュート
上を向いて寝転び、ボールを上にシュートします。狙いは、落ちた時にシュートを打った場所に戻ってくるように打ちましょう。腕の使い方や、ボールを手のひらとスナップでコトロールする力がつきます。
座って足を延ばして上へシュート
背中が曲がらないように、壁などを背にして足を延ばした状態で座ります。次に、ボールを肘の上に乗るようにセットして、上にシュートします。意識としては、しっかり肘を上方向へ上げるということ。そして、手首のスナップを使う事です。これはかなり効果があるので、ぜひおすすめします。肘の使い方のトレーニングに良いです。
お風呂の中でスナップする
お風呂に入った時に、湯船の中で、シュートを打つような感じで手首をスナップさせて手首を鍛えるトレーニングです。福岡第一の河村選手がやっていたのは有名な話です。そして、私も学生時代…25年以上前にやっていたのは懐かしい思い出です。
階段の下から上に向かってシュート(家に階段がある人用)
この練習は下半身の力をきれいに上半身に伝えることを意識してやるようにしてください。
足を曲げた時に、シュートを打つ位置にボールをセットし、ピョンッと伸ばす時に、しっかりと反動を上半身に伝えて、ボールをシュートします。その時に、手のひらの向き、手首のスナップ、肘の使い方がきちんと行われているかを細かくチェックしてください。ここが雑になると効果が半減してしまいます。
下半身の使い方としては、縄跳びで跳ぶ時のように、膝を曲げて、すぐに反動で伸び上がるようにします。そうすることで、しっかりと反動をボールへ伝える練習になり、シュートの飛距離アップにもつながります。
ゴールを使ったシュートメニュー
ただ、ダラダラとシュートを打っていたのではシュートは上達しません。意識としてはすべてボールがリングに触れずに入る、スイッシュを狙うようにしましょう。ボードを狙って打った場合も同様に、リングに当たらないようにシュートをしましょう。
回数は10回連続で成功するまで…と言うように、連続何回、という数字を設定して行うようにしましょう。この方が集中してシュートを打つようになるため、シュート上達の近道となります。
ボードの側面に当てる
正面に返ってくるようにボードの側面(横)を狙ってシュートをしてください。ボードの側面の幅は数センチしかないため、しっかり中心を狙わないと正面には返ってきません。左右のブレを無くすための練習として役立ちます。まずは連続2回ぐらいから始めると良いでしょう。慣れると数を増やしていきましょう。
ゴール下のシュート
これはミニバスカテゴリーで多いのですが、ゴール下のイージーシュートを外してしまう選手が意外と多かったりします。しっかりとボードスイッシュを意識してきれいに入れるようにしましょう。10~20連続入るまで行いましょう。
少しずつ離れながらシュート
ゴール下正面の位置から一歩下がった位置からスタートします。そこから10本連続でシュートを決めましょう。外れたら1本目からです。10連続が難しい場合は、5連続と言うように少し減らしてもかまいません。
連続で入ったら、一歩下がってまた連続でシュートを決めます。その繰り返しでフリースローまで行ったら終了です。時間はかかりますが、確実なシュート力が身に付くでしょう。
パスの自主練メニュー
ドリブルが上手い選手は結構いるのに、それに対してパスがうまい選手は少ないと思いませんか。その最大の理由は、多くの人がパスの練習をしないからです。
パスは練習をすることで、確実に上達します。ドリブルやシュートと同じです。普段の練習にパスを組み込むことで、あなたのパスは劇的に変化するでしょう。
一人でできるパス練習(壁に当てる)
壁などを使ってパス練習をします。意識したいポイントとしては、しっかりとどこに当てるかを狙う事、そして、パスの速さやパスを出すまでのモーションをできるだけ速くする事です。弱いパス練習をしてしまうと、実戦でも弱いパスしか出せませんからね。全力で強いパスを出すように心がけましょう。
チェストパス・・・右足前、左足前の両方を行う
両手でスナップを効かせて全力でパスをしましょう。ボールが壁に跳ね返って、キャッチすると、すぐにまたパスをしてください。スピード命です。最速のスピードで行うようにしましょう。
ワンハンドパス
ワンハンドパスは片手でパスをします。あとはチェストパス同様、全力でスピーディーに行うようにしましょう。
ドリブルからそのままパス
この練習ではドリブルからボールを持つことなく、そのままパスを行います。ピック&ロールはもちろんですが、より高いレベルになるとボールを持たずにドリブルしながらパスできる技術は必須になってきます。しっかりとコントロールできるようになりましょう。ドリブルをする時は、しっかりとボールを引くのも重要です。
パスをする時はノールックパスで行うと良いでしょう。練習から意識する事で、より実戦に即したパス練習になります。
- レッグスルーからワンバウンドパス
- レッグスルーからノーバウンドパス
- バックチェンジからワンバウンドパス
- バックチェンジからノーバウンドパス
二人でできるパス練習
練習メニューは一人でできるパス練習と同じです。ただし、二人で行う方がより効果的なトレーニングが可能となります。
方法としては、、パスの受け手がターゲットハンドを示してパスする場所を指定してあげましょう。これだけでも、状況判断の強化に繋がります。
さらに、人差し指ならワンバウンド、パーならノーバウンド、グーならビハインド、というように、サインによってパスの種類なども指示してあげるとより実戦的な練習になるでしょう。
状況判断の自主練習の方法
状況判断の練習をより効果的に行うためには2人以上いた方が望ましいです。基本的な動きとしては、一人が支持を出し、もう一人がその指示を見て判断する。という形になります。
ドリブル
ドリブルであれば、ディフェンスの足を出している方へ抜く、ディフェンスがオーバーした場合はロール、レッグスルーで反応が弱かったらストレートドライブなど、ディフェンスが意図をもって守る事で、オフェンス側がディフェンスを見てドリブルを選択する練習になります。
ただ、一生懸命1on1をするのとは違い、状況を判断し、プレーする技術が身に付きます。
シュート
指示役の手を見てレイアップの手やステップを変えたり、ミドルシュートを打つ場合は、相手役の動きに合わせてフェイク、ドライブ、ミドルシュート、ステップバック、など周りを見ながら選択する練習になります。
パス
パスも同じように、ボールを受ける側の動きや指示に合わせて臨機応変に対応する練習を行いましょう。重要なのは、支持する側となります。人によって必要な状況判断の練習は変わるので、自分に今何が足りないのかを考え、メニューを組むと良いでしょう。
戦術理解を深めよう
これは自主練と言うよりは、勉強と言った方がいいかもしれませんね。オフボールの動き方、フロントコートへの効果的なボール運び、スペーシング、ピック&ロール、ゾーン対策、セットオフェンス、などバスケットボール上達の為には、様々な知識を学ぶ必要があります。
どんなにスキルがあっても、どうやって動けばいいのかを知らなければ、試合で活躍することは難しくなります。これはカテゴリーが上がれば上がるほど、知識が必要になってきます。
ミニバスであれば、身長がそこそこあって、スキルとシュート力があれば、ある程度無双することも可能でしょうが、上のカテゴリーになるとなかなか難しかったりしますからね。
NBA、DVD教材、書籍など学びになるものはたくさんあります。戦術理解ができていないと、せっかくのスキルが使えなかったりしますからね。あなたの力を最大限に発揮するために、学ぶことはとても重要になってくるでしょう。
まとめ
バスケットボールの最高峰と言える、NBAプレイヤーもオフの時や試合前には自主練に余念がないと言われています。有名な話として、コービーは練習しすぎるため、スキルコーチに練習を止められる、という逸話があります。
ジョーダンやレブロンなど一流と言われる選手は、例外なく自主練習を行っています。まあ、自主練習と言っても専属のスキルコーチがたくさんいるから、自主練習なのか…と言う気もしますが、個人練習をみっちり行ったうえで、チーム練習に参加する、というのが一流選手たちの普通なんです。
つまり、それだけ自主練習が重要という事ですね。人が続けることができない事を、地道にコツコツ続けることで、より高みへと上る事ができる。私はそう思っています。
あなたのバスケットボールライフをより楽しくするために、日々の自主練を頑張ってください。
スキルのレベルアップと合わせて、バスケの1試合走り切るための体力づくりについての記事も書かせてもらってます。
どういう自主練メニューを作れば、体力の底上げにつながるのか…ということに興味がある方はぜひご覧ください。
→自主練でバスケの体力を全盛期以上に引き上げる!効果抜群のトレーニングメニューの作り方とは!?