1on1でズバッ!!!と抜きたい…バスケをしていたら誰でも思うことでしょう。
私は30年以上生きてきましたが、勝つか負けるかの公式戦で「ズバッ!!!」と抜いて得点を決める…あの感覚は他ではなかなか味わえないものです。
というわけで、この記事では1on1で抜くために必要となるコツや考え方などをいくつか紹介していこうと思います。
- 駆け引きがめちゃくちゃ重要
- ミドルシュートを狙う
- トリプルスレットの重要性
- 選択肢を絞らせない
- ディフェンスの動きを見る
- ピボットで抜く
- ドリブルで抜く
- ……etc
この中のひとつをマスターするだけでも抜けるようになりますが、より多くのポイントをマスターすることができれば、いろんなパターンでディフェンスを出し抜けるようになるので、ぜひこの記事を読んで1on1のバリエーションをひとつでも増やしてもらえたらと思います。
駆け引きを制する者が1on1を制する!!
1on1で重要なのは駆け引きです。
駆け引きなしに、ただ闇雲にドリブルで突っ込んでくるオフェンスってどうですか?
怖くないですよね(笑)
シュートがないとわかっていたら間合いを空けて守ればいいだけですから。
じゃあ駆け引きって何ですか?ってことなんですが、私としてはオフェンスでいえば引き出しの多さだと考えています。
どういうことかというと ” シュートも打てる、ドリブルもできる、パスもできる “ そういう選手って単純にすごく守りにくいと思うんですよね。
引き出しが多くなればなるほど、より高度な駆け引きができるようになります。結果、ディフェンスは選択肢が増えて、どう守っていいかわからなくなるわけです。
まず、1on1で抜くために一番最初にしたほうがいいことって何だと思いますか?
それはミドルシュートです。というのも、ディフェンスにミドルシュートがあるという選択肢をまず最初に印象付けることで、より優位に立つことができるからです
まずはミドルシュートを狙う!
ディフェンスにとって最も脅威となるのは ” シュートを打たれて得点を量産される “ ということです。
「いやいや、ミドルシュートを打つんじゃなくて僕はディフェンスを華麗に抜きたいんです…」
そう思われるかもしれません。
でもNBAやBリーグで1on1で抜きまくっている選手を思い浮かべてください。。。彼らはスピードもクイックネスもすごいですが、みんなシュートが入りますよね。
これ ↓↓↓ はアメリカ代表の1on1動画です。
どうですか?まあ、世界最高峰のプレイヤーなので当然なのかもしれませんが、めっちゃシュートが入ります。
シュートが入るからディフェンスは間合いを詰めてくるんです。ミドルシュートが入るから、シュートフェイクだけで簡単にディフェンスを飛ばして抜くことができてしまうんです。相手が飛んでしまえばスピードが無くても抜けてしまいます。
あとミドルシュートがある、ということをディフェンスに意識させることができていれば、ドリブルで攻める時にNBAのカリーのようなシュートヘジテーションを効果的に使って抜くこともできるようになります。
実際どうでしょう…ミドルシュートがまったくない選手を守る時って、間合いを空けませんか?
ボールを持った時にシュートを狙わない選手ってどうでしょう…怖くないですよね。だからディフェンスは間合いを空けて抜かれないようなスタンスで守るはずです。
間合いを空けられてしまうと1on1で抜くのってかなり難しくなってしまいますよね。
だから、まず、1on1で抜くために ” ミドルシュートがある “ という選択肢をディフェンスに植え付ける必要があるわけです。そうすることで間合いが近くなって、より有利な状況で1on1の駆け引きができるようになるのです。
こういう理由からも、パスをもらった時にしっかりとシュートが打てる位置、シュートが打てる体勢になっておく必要があります。これはドリブルをしている時も同じですよ。
ディフェンスは「ミドルシュートがある」というだけで間合いを空けることができなくなります。なので、1on1で抜くために ” まずはミドルシュートを狙う “ ということを意識してもらいたいと思います。
とても重要なことなので、しっかりと意識してみてくださいね。
ボールを持ったらトリプルスレットポジションになろう!
シュートを打つためには、ボールをもらった時にトリプルスレットポジションになっておくことも重要になってきます。
トリプルスレットとは “3つの脅威 “ という意味で ” シュート、パス、ドリブル “ のことを指します。
シュートも打てる、パスもできる、ドリブルもできる、いつでものこの姿勢(トリプルスレットポジション)をキープすることで、ディフェンスは選択肢が増えて守りにくくなるというわけです。
選択肢を絞らせると楽に守られてしまう…
ディフェンスの選択肢を増やすためにも
「抜くぞ!抜くぞ!!」となって、ドリブルしかできないような姿勢になるのだけは注意しましょう。どんな時でも…
- シュートが打てる
- パスができる
- ドリブルで抜く
という姿勢をキープして、ディフェンスに次に何をするのかわからない…という状況を作ることを意識してください。
そうすることで常に優位な状態に立つことができるようになれるのです。
ディフェンスの構えや反応を見て攻めてますか?
例えばですが、ディフェンスが間合いを空けているのにドリブルで抜こうとする、であったりとか、逆にディフェンスがピッタリくっついているのに無理やりシュートを打つ、など、ディフェンスの位置や構えを無視してプレーをすると、抜けるものも抜けなくなってしまいます。
まずはすごくシンプルに考えていきましょう。
- ディフェンスが後ろに下がっていたらシュートを打つ!
- シュートフェイクをしてディフェンスが間合いを詰めてきたら抜く!
それができるようになったら、次はディフェンスの前足を攻めてみましょう。
前足を攻めよう!
これも考え方はシンプルです。
- 前足を攻めて、前足を後ろに下げたら逆を抜く
- 前足を攻めて、反応がなかったら前足側を抜く
- 前足を攻めて、前足を下げずに横にズレたら逆を抜く
もう少し詳しく抜く時のイメージを解説すると…
● 前足を攻めて、前足を後ろに下げたら逆を抜く
「前足を攻める→ディフェンスが前足を後ろに下げる→下げた瞬間に逆を抜く」
● 前足を攻めて、反応がなかったら前足側を抜く
「前足を攻める→ディフェンスが動かない→ディフェンスの前足の横に力強くステップをして一瞬で抜く」
● 前足を攻めて、前足を下げずに横にズレたら逆を抜く
「前足を攻める→前足を下げずに横にズレてドライブを止めにきた→横にずれた瞬間に逆を抜く
このようにディフェンスは前足側を攻められると、前足を下げるか、横にズレる、という反応をする可能性が高くなります。
さらにイメージできるように解説をすると…
前足を攻められて、右の前足を下げた瞬間というのは、体が開いてしまうため重心が蹴り足である左足に乗りやすくなります。
体が開いて左足に重心が乗った状態で瞬間的に逆(左側)に切り返されると、すぐに反応するのが難しくなってしまうので、前足を下げた瞬間はディフェンスにとって抜かれやすい状態にあると考えることができます。
ディフェンスの前足を攻めることで、足を下げさせる、横にズラす、重心を移動させる、という状態を作りやすくなるので、抜きやすくなるというわけです。
そうは言っても、前足から攻める、というだけでも結構難しかったりします。でも、自然にこの前足を狙って攻めることができるようになれば、ピボットにしても、ドリブルにしても、かなり攻めやすくなるはずです。
NBAの動画を見ていてもそうですが、ジャブステップを使ってディフェンスの前足を崩して攻めるのはスタンダードな方法ですからね。
あと、この前足攻めをすることで、ディフェンスの動きや反応を見ながら攻める能力を鍛えることができるので、最初は難しいかもしれませんが、ぜひチャレンジしてもらえたらと思います。
ディフェンスとのズレを作ろう!
バスケの1on1で重要になってくるのは、ディフェンスとのズレを意図的に作ることができるか……というところにあると思っています。
というのもこれまでに解説してきた「シュートを打つ」や「前足を攻める」というのは、このディフェンスとのズレを作るために必要な動作でもあるのです。
※「シュートを打つは 縦のズレ 」「前足を攻めるは 横のズレ 」を作るための動作である。
ディフェンスを抜くことができる選手というのは、このディフェンスとのズレを作るのがすごくうまい。
NBAトッププレイヤーのStephen Curryはズレを作るのがとても上手いですよね。
もし、身近なプレイヤーで抜くのが上手い選手がいる場合は、その選手がどうやってズレを作っているのか、というのを観察してみるのも参考になっていいかもしれませんね。
縦と横のズレの次は、タイミングのズレについて。
緩急をつけてタイミングのズレを作ろう!
正直、この緩急(スピードの変化)をしっかりと使い分けることができるようになるだけで、スピードがそこまでなくても1on1で抜けるようになるでしょう。
- 止まってパスと見せかけてドライブ
- ゆっくりから速く
- 下がると見せかけて前へ
- アタックと見せかけてシュート
- レッグスルーをして止まると見せかけてドライブ
というようにスピードの緩急を上手に使うことでタイミングのズレを作り出すことができるようになります。
さらに、この緩急に加えて、体の向き、顔の向き、膝の向き、視線など、そのほかの様々な要素を組み合わせることで、よりタイミングをズラして攻めることができるようになるのです。
まずは緩急をしっかり使えている身近な選手を参考にしつつ、ゆっくりから速く、であったり、止まってから動く、というような基本となる緩急から試してみるといいでしょう。
そして、いろいろ試していく中で、どういう風に緩急をつければタイミングをズラすことができるのかをディフェンスの反応を見ながら学んでいくと、少しずつタイミングをズラすコツがわかってくると思います。
実は演技力がめっちゃくちゃ重要!
1on1で抜くことのできない選手に共通しているポイントのひとつに ” 演技力 “ があると私は思っています。
どういうことかというと、例えばシュートフェイクはしているけど、いつもと全然違うシュートフォームでフェイクをしているから引っかからない。
であったり、ドリブルのフェイントでも、そのフェイント自体にリアリティがないために、ディフェンスを揺さぶることができない…というものです。
1on1で抜くのが上手な選手というのは、この本当に抜く時と、フェイントの差がほとんどありません。つまり演技力が高いんです。
本当にリアリティがあるシュートフェイクならディフェンスは飛びます。本当にリアリティのあるフェイントならディフェンスは大きくズレるんです。
どうすればディフェンスを出し抜けるか…どうすればリアリティあるフェイントができるか…動画を撮ったり、仲間に聞いたりしながら、演技力を高めてもらいたいと思います。
ピボットで抜く~すぐドリブルを突かない~
これはバスケ初心者に多いのですが、パスをもらってすぐにドリブルを突いてしまうのはやめた方がいいでしょう。
何か決まったフォーメーションがあったうえで、すぐにドリブルを突かなくてはいけないのであればいいのですが、何も考えずにパスをもらってすぐにドリブルはNGです。
まず、パスをもらったらしっかりミートしてトリプルスレットで止まる。そして、シュートが打てる範囲であればシュートの構えを見せる。そこから1on1が始まると思ってください。
ではピボットで抜く時のコツについて、まずはしっかりとディフェンスを見て ” 縦ズレ・横ズレ “ を作って抜くという事を意識しながら攻めてみましょう。
- 後ろに下がっていたらシュートを打つ
- 手が下がっていたらシュートを打つ
- シュートフェイクをしてチェックに来たら抜く
- ジャブステップで前足を崩す
- 小さな動きと大きな動きを混ぜる
- ゆっくりから速く
このような動きから、ディフェンスがどう反応するかというのを見ます。
空いていればシュートを打てばいいし、シュートフェイクをして前に出てきたのであれば抜けばいい、ジャブステップに対して大きく反応して横にズレているのであれば逆に抜く。
など、どうすればどういう反応をするのか、というのを失敗してもいいので実験をするような感覚でディフェンスを観察してください。
何か考えて行動したうえでの失敗は何回もしましょう。その失敗の数が多いだけ、成功に近づけるのです。
で、抜けないのであれば、そこではじめてドリブルという選択肢がでてきます。
あ、それと、ひとつ注意点ですが、自分のディフェンスだけを見てプレイするのではなく、しっかりと仲間がどこにいるのか?ほかのディフェンスがどこにいるのか?というのも見えるようになると一気にプレーの質が上がります。
状況に合わせた動き、というのもバスケットボールではとても重要になってきますからね。
ドリブルで抜く
実はドリブルで抜くと言っても何か特別なことをするわけではありません。
これまでにお伝えした、選択肢を絞らせない、シュートを狙う、横ズレ、縦ズレ、前足を狙う、緩急をつけるなどをドリブルで実践すれば、ディフェンスを華麗に抜き去ることができるようになります。
重要なのは ” ディフェンスが思っている事と違うことをする “ という事です。
たとえばですが、フロントチェンジしかできない選手よりもフロントチェンジとレッグスルーができる選手を守る方が難しくなります。
かといって、フロントチェンジしかできなかったとしても、チェンジオブペース(緩急)が上手く使えれば、フロントチェンジとレッグスルーを使える選手よりも守りにくいかもしれません。
ようは、1on1のドリブルで抜くためには、今あるスキルをどう組み合わせて、ディフェンスの逆を突くことができるか、ということがポイントになってくるわけです。
その逆を突く時のポイントとなるのが、緩急とリズムの変化です。
ずっと、同じスピードで動き続けたり、同じタイミングでドリブルをしていても、ディフェンスを抜くことはできません。
いかにタイミングをズラすか、逆を突くか、というのが重要になってきます。(ここに演技力も加わってくる)
なので、タイミングがドンピシャであればレッグスルーや緩急だけで抜くことができるし、どんなにスキルが合っても小手先だけになってしまうと抜けない、ということもあるのです。
なかなか頭でわかっていてもいざ本番となると簡単にできることではありません。1on1を数多くこなして、いろいろ試していくことで少しずつコツを掴むことができるでしょう。
フィニッシュを増やすのも大事!
フィニッシュというのはシュートの事です。
- ミートからのジャンプシュート
- スリーポイントシュート
- フローター
- レイアップシュート
- バックステップのジャンプシュート
- ポストプレイ
- フェイダウェイ
- ダブルクラッチ
- ロールからのフックシュート
- ユーロステップ
- ギャロップステップ
など、フィニッシュにもいろいろな種類があります。
この種類が増えることで、様々な状況に対応することができるようになります。一気に増やすのは難しいので少しずつフィニッシュの数を増やしていくといいでしょう。
ちなみに、ボードを使ったシュートでもこれだけ選択肢があります。参考にどうぞ!
上手な選手をイメージしてみてください。いろんな状況において、様々なフィニッシュでシュートを決めているはずです。
まとめとおまけ~使用頻度の高いドリブルテクニック~
どうでしたか、かなりのボリュームになりましたが、バスケの1on1に関して私の考えをがっつり解説させてもらいました。
実際に、今回紹介していることを高いレベルでこなすことができれば、試合中に1on1をすることで、得点を量産することが可能になるでしょう。
どんなことでもそうですが、いきなりすべてをマスターするというのは難しいものです。
少しずつ精度を上げていけばいいのです。できないことを少しずつできるようになっていきましょう。
そうすることで、いつの間にか、1on1でディフェンスが抜けるようになります。
重要なのは「できないことができるようになる」という事です。
そのためには、毎日の練習でしっかり考えて、どうすれば今までできなかったことができるようになるのか考えながら練習する必要があります。
毎日、何も考えずに同じ練習を繰り返しているだけでは新しいことはできるようになりません。でも、考えて練習をすれば確実に少しずつ上達していきます。
というわけで、最後にひとつ、とっておきのドリブルテクニックをお伝えして、この記事を締めくくりたいと思います。
必殺のドリブルテクニック「2ステップドリブル」
そのドリブルというのは ” 2ステップドリブル “ です。
どういうドリブルかというと、「ドリブル1回に対してステップを2回」することでディフェンスを揺さぶるテクニックになります。
イメージ的には横にスキップするような…タン、タタン…タン、タタンという感じでステップをして、ディフェンスの反応を見ながら仕掛けるムーブ。
横にステップした時に、ディフェンスの反応があまりなければ、そのままストレートにドライブ。ディフェンスの反応が大きければ逆にドライブします。
タン、タタンの「タタン」の時にしっかりとステップを踏むことで、初速もでやすいですし、ディフェンスの反応を見ながらドライブする練習をするのにも最適なムーブなのでおすすめですよ。
この2ステップドリブルはある1on1に特化した動画教材で解説されていたんですが、めちゃくちゃ試合で使えるスキルなのでぜひマスターしてもらえたらなあ、と思ってます…もちろん子供にも伝授してますよ。
超実戦的な1on1のスキル動画については、こちらの記事に詳しい内容を書いたのでよかったらご覧ください。