教える側が意図して、そういう状況を作ってあげる
設定した状況が適切であれば、子供たちはあなたのイメージ通りにバスケがメキメキ上達するでしょう。
いや、むしろ “勝手にうまくなっていく” という表現の方がしっくりくるかもしれません。
子供からすると意識的に「この練習をしてこうなる」というものではなく、状況的に対応する必要があるから “勝手にできるようになる” わけですね。
なぜなら、こちら側が知らぬ間に、うまくならないといけない状況を作ってしまうのですから…
結果として“意識していない時でも対応できるようになる” という状態に成長してくれるでしょう。
ただし、簡単ではないんですけどね。
設定が難しすぎるとやる気なくなっちゃうし、設定がぬるいと上達しないので。
あと、常にこの方法をするだけで上達する、というわけでもなく、しっかりとした意図をもって状況を設定することで抜群の効果を発揮する教え方になります。
ちなみにですが、事前に情報を与えておいた方がいいのか…これについては、どちらでも構いません。
重要なのは、こちらの意図した動きをしないと “その状況から抜け出せない” というシチュエーションを作るところにあります。
重要なポイントは意識できないことを意識してもらうこと!
それでは、実際に我が家で行った方法をいくつか紹介していきましょう。
上の画像をご覧いただけますでしょうか。ドリブルの基本スタンスとも言える、左手でディフェンスをブロックしている画像です。
長男(小1)、次男(年中)ともにディフェンスがいない状態であれば、画像のように腕でブロックした状態のドリブルができるのに、いざディフェンスがマークしてくるとできなくなる、という状態でした。
しかも、言葉で「腕でブロックしないとカットされるぞ!」と注意しても改善されなかったんです。
そりゃそうですよね、だって、言われている本人は腕でブロックすることが重要だなんて、これっぽっちも思ってないのだから。
そこで、設定したわけです…腕でブロックしないとボールがカットされる、という状況を。
そう、単純に突然、私がボールをカットするようにしたんです。
もちろんですが、腕でブロックすればボールは取られないということを教えるためです。
強制的に意識させて、無意識レベルでできるようになってもらう!
この突然というのがポイントになるのですが、腕でブロックというのは無意識レベルでやってもらいたいことです。
なので、何の前触れもなく突然「うりゃあ~~」と言って、ボールをカットしに行きました。
結果、何度も繰り返していると、ちょっとボールを取りに行くそぶりを見せるだけで「バッッ!!」とブロックするようになったんです。
子供なりに腕でブロックすることが重要だと認識したわけです。
無意識レベルでできるようになるまで繰り返し何度も行う
無意識レベルでできるようになるまで繰り返し何度も行う
重要なので2度言わせてもらいましたが、何度も繰り返すことで動きが体に染みつき、いつでも反応できるようになります。
ほかにも、ロールターンを教える時は体が当たってからロールする感覚を教えるために、ディフェンスする時にあえてグイグイプレッシャーを与えて、ロールする感覚を教えたりもしました。
この時の状況設定は…体が当たる前にロールターンをすると抜くことができない というものです。
ようするに、体が当たっている時にロールすると、きれいに抜くことができるという状況を作ったわけですね。
するとどうでしょう。
すばらしいもので、その状況から抜け出すために、しっかり体が当たってから、ロールターンをするようになるんです。
もちろん、事前にロールターンができるようになっておく、というのは言うまでもありませんが、この “ちょっとした状況を適切な形で設定してあげる” ことで、ギュンギュン!バスケが上達していきます。
他にも応用は可能で、前を向いてドリブルをしてもらいたい選手がいれば…下を向いてドリブルをついている時はダブルチームでつくようにする。
ゴール下でボールを下げるクセがある選手だと、ボールを下げたらガンガンにボールを叩きにいく。
すぐファンブルしてしまう子供だと、常に簡単なパスを出すんじゃなくて、あえてちょっと取りにくいパスを出す。
というように、その選手にとって適切な状況を設定することで、その選手の意思とは関係なく “勝手にうまくなっていく” のです。
適切な状況設定の作り方について
まずゴール設定をします。
どういうプレーをしてもらいたいか?
を決めるわけです。
そして、そのプレーをしなくては、状況を打破できないシチュエーションを作る。
あとは、この設定での練習を定期的に、時にランダムに行ってください。
動きが無意識レベルでできるようになるまで、体に染みつくまでやってください。
確実に言えることは “どういう状況を設定してあげるか” によって、その選手が “上達するか、しないか” が決まってしまうということです。
そう、まさに指導者の腕の見せ所というわけです。
しっかりその選手の特徴を見極め、その選手にとって可能な限り適切な状況を設定してあげてください。
はまれば、一気にイメージ通りの動きを手に入れることもあるでしょう。
次の記事はバスケをするうえで必須スキルと言える、ドリブル上達のコツについて。
バスケ初心者さんには必読の記事となりますので、ぜひご覧ください。
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これを実践して上達しない子供はいないと断言できます。バカみたいに上手くなりますよ。