子供にバスケットボールを教えるのは超簡単だよね~
と言っているのを、私は聞いたことがありません。むしろ、そんな人がいたら「いやいや、嘘を言うんじゃないよ…」と心の中で思ってしまうでしょう。
でも、 “少しずつ着実に子供のバスケがうまくなる方法” はあると確信しています。
この記事では、バスケがうまくなるために重要となる指導時のコツや考え方、あと具体的なテクニックについてお伝えしていこうと思います。
“まったくできない” を前提に教える
そもそもですが、一人ひとり考え方も違うし、経験値(人生経験)も違います。
すぐにできるようになる子と、なかなかできない子がいます。
ほんと「なんでこんなことができないの?」ということが、頻繁にあると思います。子供を指導したことがある方であれば、少なからず理解してもらえるのではないでしょうか。
だから、まず基本的なスタンスとして “まったくできない” ということを前提に指導する必要がある。
私はそう思っています。
特に低学年になればなるほど、驚くほどやってもらいたいことができない。
でも大丈夫!安心してください。そんなもんですから。
できないからと言って、イライラしたところで子供はできるようにはなりません。
むしろ「そっか、君はまだできないんだね、じゃあ、これから少しずつレベルアップしていこう」ぐらいのかる~い気持ちで行きましょう、いつかできるようになりますから。
“失敗を繰り返して成長する”
だから、失敗を怒らないであげてください。
むしろチャレンジングな失敗は褒めてあげてもらいたい…その方が子供は楽しく成長していくと体感しています。
できる子とできない子の差
答えは簡単。
その子の今までの人生経験(家庭環境、スポーツ歴、遊び、勉強など人生のすべて)に依存します。
やったことがあることは “すぐできる”
やったことがないことは “なかなかできない”
似たようなことをやったことがあれば比較的短時間でうまくなるだろうし、まったく未経験のものはできるようになるまでに時間が必要になります。
ほんと、それだけのことなんです。
そこに関して指導者側は、どうすることもできないから “そういうものである” と理解し、じゃあどうすればいいのか…を考え実践するしかありません。
できるかどうかは別にして、極論を言えばその子だけに特化したメニューを考え、ひとつひとつ修正していくのがいいと思ってます。
私も驚いたのですが、年齢が低くなればなるほど、いろんな事が思った通りにできません。
これにはほんと驚いたのですが、経験上、この「できないのが普通」を理解する、しないで、子供達を指導する時に “ものすごく大きな差”になると思ってます。
スーパーマリオ(ファミコン)の1-1さえもなかなかクリアできない
これはファミコンのスーパーマリオを5歳の次男がはじめてやった時のこと…
なんでゲーム?と思われたかもしれませんが、すぐにつながりますのでご安心を。
あ、スーパーマリオやったことありますか?
マリオの1番最初の1-1ってめちゃくちゃ簡単。たぶんゲームをしたことがある人なら誰でもすぐにクリアできるはずです。
でも、5歳の子がやるとなかなかクリアできない。
むしろ、わざと敵に当たって死んでいるんじゃないか?
と思ってしまうほど、あり得ない操作をします。
でも、よくよく考えると、そりゃそうだよなあ、と思うわけです…だって、スーパーマリオをしたことがないんですから。
いや、そもそもファミコンのコントローラーを使った経験がないからできるわけがないんです。
やったことがないのに、人から何を言われようが意味がわからない。
私が「こうしたらいいんじゃない」って言うと「どういうことかわからない…」と。
「いや、こうやってジャンプするだけだろ」って言うと、「うぅ~わかるけど、できない~」ってなる。
でも、何度も何度も、マリオを操作しているうちに、ジャンプのタイミングや走り方とか、少しずつできるようになっていきます。
そして、あるタイミングで「できない~」と言ってたことができるようになる。
すると、1-1がクリアできる、1-2、1-3を連続でクリアできることも…で、また行き詰まる、この繰り返しです。
スーパーマリオでさえそんなレベルですよ…
バスケで考えてみましょう…
ドリブル、パス、シュート、ミート、ピボット…いやいや、そんな高度なこと、すぐにできるわけがない。
画面を見ながら指を何本か動かして操作するだけのスーパーマリオでさえ思った通りに動かすことができないんです。
見ることができない自分の体を、ちょっとやったところで、思い通りに動かすことなど、どう考えても難しいのです。
特に低学年になればなるほど経験が少ないので、思った通りに動けないし、言っている意味が伝わりません。
“まったくできないを前提で教える”
だから、この考えが必要になってくるのです。失敗をほめてチャレンジしてもらう必要があるのです。
すぐに理解して、動いてもらおうなんていうのは私のわがままでしかない。
だから、少しずつ、一歩ずつ、いや半歩でもいいから進んでもらえるように “その子が理解できるレベルまで細かく分解” してわかりやすく伝える必要があると思ってます。
重要なポイントとしては、一人ひとり理解度が違うということを理解しておくことです。
でも、どんなに詳しく伝えても、全然うまくならない…どうすればいいんだ~!!
そんな時にめちゃくちゃ効果を発揮した “スペシャルなテクニック” をご紹介しましょう。
【必殺】スマホやタブレットにてスローの動画を撮って見せる
どうです、超簡単なことでしょ。
これ、試したことがある方なら「そうそう、動画撮るの効果あるよね~」ってなると思うんですが、ヤバいぐらい効果がありますよ。マジで。
ポイントは “スローで撮る” というところです。
何回説明してもできなかったことが、ただスローの動画を撮って見せるだけで、一気に改善する、といったことが何度もありましたので。
わが子、ミニバスの子、どちらの子供たちにも一瞬で効果が見られた必殺の手法です。
で、なんでこんなに効果があるのかを考えてみると…4つの要素が浮上。
- 意味が分かっていない
- わかっているけど、意識していない
- 自分ではできていると思っている
- 人に見られるからカッコつけたい
1、意味が分かっていない
もし、言っている意味が分かっているとしたら…すぐにできるようになる、もしくは、何かしら意識して修正している様子が見てとれる…はずです。
しかし、それが一切なく、同じことを繰り返しているとしたら、言っている意味が理解できていないと思った方がいいでしょう。
そんな時は、すかさず動画をスローで撮ってあげましょう。
そして、動画を見ながらわかりやすく解説をしてあげてください。理解度が全く違うので、意識できなかったことが意識できるようになり、結果、上達スピードが上がります。
2、わかっているけど、意識していない
これも、よくあるのですが、子供からしたら、指導者が言っていることをできるようになりたい、なんてさらさら思ってません。
なぜなら、それができるようになって、どう役に立つのかがイメージできないからです。
だから、なんとなくは理解していても、そこまで真剣に「やってやるぜ!」とはならないのです。
そこで、動画を撮って、シチュエーションを設定し、スロー動画を見ながら説明することで「ふ~ん、それならやろうかな」とやっと意識的にやるようになります。
3、自分ではできていると思っている
これも多いのですが、自分ではできていると思っている場合です。
実は、大人のプレーヤーにも言えることで、いざ動画で見てみると「あれ?イメージと違う…」というのはよくあることです。
なので、しっかりと自分の動きを見て、イメージしている動きと自分の動きを合わせる必要があります。
動画として見ることで、腰の高さ、顔の向き、膝の曲がり具合、スピードの緩急など、細かい箇所をチェックし、修正することに役立ちます。
4、人に見られるからカッコつけたい!
誰しもそうですが人に良く見られたいという欲求があります。
子供の場合は特にその傾向が強いように感じます。
動画を撮るだけで、言われたことを意識して修正し「カッコよく見せよう」とすることからも、「カッコ悪いところ」を見られたくないし、見たくないのでしょう。
実際に我が家でも、動画を撮るだけで、何度言ってもできなかったことが、一瞬でできるようになったことが何度もあります。
それほど、動画を撮る、動画を撮られる、ということは子供にとってインパクトがあることなのです。
ほんと面白いですね。
「じゃあ、最初からやれよ~」って思うんだけど、そんなもんだ…と理解して笑ってあげてください。嬉しそうに笑顔になるので。
指導するうえで重要となる2つのポイント【まとめ】
というわけで、子供のバスケがうまくなる方法として、私が子供たちに教えていて重要だと実感しているド基本は…
“まったくできない” を前提に教える”
“スロー動画を撮ってわかりやすく伝える!”
ということです。
スマホかタブレットさえあれば、すぐにできるので一度お試しください。
あ、それと、スロー動画を見ながらほめてあげると、より集中して話を聞くようになりますよ~。
ご参考までに!!
それでは、次の記事では “状況設定で子供を劇的に上達させる方法” について、お伝えしていきます。
この方法も効果抜群ですよ、ほんのちょっとのことで子供は劇的に成長します。ぜひご覧ください。
→【指導法】バスケ初心者(子供)がギュンギュン上達する方法!!教え方のポイントは状況設定にある